2010年5月10日月曜日

手塚治虫とミヒャエル・エンデ

に共通点があるように思う。

二人とも物語を作る人だが、
その物語にはメインとは別の、
もう一つのテーマが存在する。

手塚治虫のテーマは命ではなかろうか。
火の鳥・ブラックジャック・アトム・ジャングル大帝、
ほぼ全てに散りばめられている。

いわゆる裏手塚(ダークサイド)の作品、
アドルフに告ぐ・奇子・MWなども、
残酷なほどに簡単に人の死を描く。

自然や人の残酷さも含め素の命を描くのが手塚作品の魅力だと思う。


ミヒャエル・エンデの作品は手塚作品ほど多く読んでいないが、
代表作「モモ」には、隠れたテーマがあることは有名だ。

それは、経済の矛盾を時間泥棒との戦いと比喩している。
詳しくは「エンデの遺言」を見てほしい。

他の作品も非常に比喩的なものが多い、
たとえば「自由の牢獄」というのも選択の自由が、
本当の意味での自由とは矛盾していることをテーマとしているようだ。


二人とも、戦争を体験した世代だというのも関係があるかもしれない。
そして、物語を紡ぐ能力とは別の専門性を持っていることも興味深い。
手塚治虫は医学に、ミヒャエル・エンデは経済に専門性を持って物語を構成している。
そして自分の作品をすごく大事にしている。

手塚治虫は気に入らない話をわざわざ書き直したり、
エンデは映画(ネバーエンディングストーリー)が原作と違ったことで、
訴訟を起こしたりと情熱を注いでいる。

戦争体験X専門性X物語X情熱=歴史に残る名作となるのかもしれない。

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