2017年11月4日土曜日

響に見るスカッとする予想の斜め上の展開

久々に漫画で予想外の展開に着いていけない漫画に出会いました。響について多少のネタバレを含みますが、なるべくオブラートに包んで感想を少し。

あらすじ

いっちゃってる女子高生の主人公である響が、天才的な文芸の才能と予想外の行動を繰り広げる、本格文芸破天荒学園物語。

邪道に近い王道の漫画

主人公の響の行動や言動に共感なんてものは望まれていやしない。いっちゃってる感じは、天才を表現する際に良く言う、「なんとかと天才は髪一重」ってのがしっくりと来るだろう。

そのいっちゃってる度がハンパ無いのだが、対比がすごく効果的に使われている。脇役が主役を上手く引き立てており、不良も普通の天才も本物のいっちゃってる響の引き立て役だ。

ゆえに評価のされ方も尋常では無い。圧倒的に最強の主人公は、いっちゃってるにもかかわらず邪道を通り越して王道の結果として富と名声を手に入れるが、それも全て予想の斜め上にたどり着く。

まるでワンピースのルフィ

海賊王になる男、ルフィに例えても遜色ない文芸王になる女とも言うべき響の圧倒的な戦闘力だが、世の中の不条理な常識を打ち破る非常識な率直さも、まさにルフィ級。

大人の論理や、社会の常識など、「うるさい黙れ」と一蹴し、目には目を歯には歯をという武闘派な精神は、およそ文学を題材にした漫画とは思えない、世はまさに大海賊時代ならぬ大文学時代か。

意外とリアル

周りにパワハラやモラハラのひどい人悩まされてる人には、スカッとする話かもしれないが、良い子は決してマネしてはいけない。実際にこういったタイプの人間もまれに居るかもしれないが、きっと周りは困っているに違いない。

そう思わせるほど、嫌な奴の行動や言動は生々しく、あるあるネタに使えそうであり、そういった輩への響の対応がぶっ飛んている。やり過ぎ感もあるが、これがルフィだと思えば納得できるかも。

こんなレビューで興味が湧くか解らないけど、よくある展開のお話に飽きているなら最高にオススメです。きっと予想の斜め上を行ってくれる事でしょう。